自由は大変
「フリーランスは自由でいいね」と時々言われるのですが、自由というのは逆に言えば全てを自分で決めなくてはいけません。
これはなかなか大変で、判断を間違えればすべて自分に返ってきますので、常に正しい判断をしなければいけないわけです。
会社や組織には規則があり、国には法律があります。これらは自由に対する "縛り" になります。
縛りは自由を奪ってしまうように感じますが、実は縛りによって得られるメリットもあります。
たとえばお昼ごはん。
何を食べようか迷ってなかなか決まらず、結局適当なお店に入って後悔、みたいなことはないでしょうか。
なんでも好きなものが食べられると思っても、決め手に欠けると迷いが生じてなかなか決められません。
これに対して学校の給食。
給食は毎日の献立が決まっていて選ぶことができませんが、逆にいえば迷う必要がまったくありません。
また社食や学食の場合。
メニューこそ給食のように固定ではありませんが、決まった場所、決まった時間で、決まったメニューの中から選べばよいので、街中で店を選ぶよりは判断すべき要素は大分減ります。
例えば夏休みの課題。
計画的に進めればいいものの、結局夏休みが明ける直前になって必死に終わらせる...なんてこともあったかと思います。
普段の宿題は次の日には提出なので、その日のうちに終わらせなければいけませんが、夏休みの課題は休み明けに提出=夏休みの間に終わらせればよい、というゆるい縛りなので、自分でペース配分を決めなくてはいけません。
ほかにも、夕飯の買い物。献立が決まらないと何を買うかも決まりませんが、今夜はカレーと決まっていれば、カレーの材料を買えば済みます。
何か新しい趣味を始めようと思った時も、漠然と新しい趣味というよりも、音楽を習おう、ダンスがしたい、釣りに興味がある、といった具体的なテーマがあれば、それに向かって動き出すことができます。
つまり、縛りというのは自由な状態=判断しなければならないことがたくさんある状態から、選択肢を絞って決めやすくする=選ぶ負担を軽減させる、という効果があるわけです。
昨今のこの厳しい状況の中、リモートワークを始めたもののなかなか慣れないという話をネットで見かけます。
それもそのはず。通勤、決まった席での業務、決まった時間内での業務、といった様々な縛りが緩まったことで、逆に自由度が上がってしまっているため、普段必要のなかった判断をする機会が増えているからであろうと思います。
そこでよく言われているのは、ルーチンを決めること。
例えば、
- 決まった時間に起きる
- 着替える
- 簡単にでも身だしなみを整える
- 仕事場所を決めて (出来れば生活する場所と分けて) そこで作業する
- 決まった時間に休みを取る
- 決まった時間に業務を終える
(時間については、普段出社していた時と同じ時間に合わせるとよいと思います)
自宅の中でもこうした縛りを設けることで、余計な判断コストを減らし、ストレスを減らす効果が期待できます。
ちなみに僕の場合。
在宅業務のコツ:
— 毒魚人 (@hajime) April 10, 2020
- 風呂入って着替える
- ランチはなるべく外で (今は難しいのでテイクアウトでも)
- 眠くなったらちょっと寝る
最後の「ちょっとだけ寝る」のは縛りではなく自由を活かしたパターン。
ミーティングやよっぽど差し迫った予定がない限り、眠くなったら逆らわずに 10~15分ほど横になって、頭をスッキリさせてから作業を再開します。
よく言われていますが、15分程度に抑えるのがポイント。長く寝てはいけません。
これはいつでもすぐに寝床に行けるリモートワークのメリットでもありますので、よければ試してみてください。
このように、自由を縛りでうまくコントロールして、厳しい状況を乗り越えていきましょう。
以上、よろしくお願いいたします。