新しいきたかみ - できたてフェリーは色々な意味でスマートに

フェリー、乗ってますか?

今回、2019年 1月に就航したばかりの太平洋フェリーの新きたかみ に乗る機会があったので、その様子をお届けします。[NOT PR]

今回乗ったのは、苫小牧から仙台までのルート。苫小牧を 19時に出発し、仙台港に翌朝 10時に到着する、約 17時間の船旅です。

札幌から特急すずらんで苫小牧駅まで行き、苫小牧駅からタクシーでフェリーターミナルに向かいます。


苫小牧のご当地キャラ(?)

タクシーで 10分ほどでフェリーターミナルに到着。

出航の 1時間前にはターミナルのカウンターで乗船手続きを済ませる必要があるので、時間に余裕を持って 17時半には着いたのですが、既に乗船開始のアナウンスが流れていました。

事前に Webサイト で予約していたので、カウンターで予約名を伝えて支払いに使用したクレジットカードを確認してもらうだけで、乗船券と部屋のキーカードがもらえます。

既に乗船開始していたので、そのまま乗船口へ。


新しいだけあって船体はピカピカ


入ってすぐのロビー (6階)


船内図。6階と 7階が乗客フロアになっています。(下は車の駐車スペースなど)

こうしたフリースペースが各所にあって、自由にくつろぐことができます。


大浴場は乗船開始から、到着 30分前までいつでも利用可能


マッサージチェアーも配備


売店は出航後と翌朝に営業

特徴的だったのが、フロアの随所にプロジェクターによる映像が映し出されている点。「スペーストラベル」をコンセプトにしているというだけあって、宇宙をイメージした幻想的なイメージが多く流れていました。


フリースペースの一部の壁にも映像が常に映し出されています


階段の壁にも


案内表示も床に投影 (これは多分乗船の時だけ)

デッキの外もまだ床とかがピカピカ。真新しさを感じます。

一通り船内を散策した所で、自室へ。今回は 1等クロスツインという個室を取りました。

こんな感じで、変則的な 2段ベッドになっています。(最終的に上で寝ました)


テレビや電子ケトル、自由に飲めるお茶も


タオルやドライヤー、冷蔵庫なども完備 (ドライヤーは大浴場にもあります)


部屋にトイレとシャワーも付いています


ちなみに土足厳禁

部屋のグレード的には高めですが、料金は 13,500円。(一人で利用でも料金は変わらず) 普通のホテル並みの設備が整っていて、交通費と宿泊費がセットと考えれば大分リーズナブルです。

とりあえず荷物を置いて一息ついたら、大浴場へ。


流石に中は撮影できないので、公式サイトより。こんな感じで外の景色を眺めながら湯船に浸かれます。

浴槽は 2個ありますが、浴場の広さも含めて以前乗った別の船よりは若干コンパクトになったように感じました。

ひとっ風呂浴びてから部屋でくつろいでいると、ドラの音が鳴り響いてついに出航です。

(ここまでずっと港にいました。)

ほどなくして、夕食のオープンのアナウンスが流れてきたので、7階のレストランに向かいます。

夕食はバイキング方式で一人 2,000円、入口でチケットを購入して支払います。


中は割と広々、この奥にもテーブル席が多くあります


窓際の席はすぐ埋まります

メニューはステーキや大あさりのバター焼き、手作り豆腐など 2~30品くらい用意されていて、時間制限も特にないので、ゆっくりと食事を楽しむことができます。

飲み物はソフトドリンク類は料金に含まれていて、お酒は自動で注がれる生ビールやチューハイの自販機で別途購入します。

さらに、レストランの外の売店や自動販売機で買った飲み物も持ち込み可能で、途中で一旦外にでて買ってくることも可能です。


うれしい持ち込み可能の表示

もちろんレストランの利用は必須ではなく、フリースペースで事前に購入したり船内の売店や自販機で買った食事で賄うこともできます。(フリースペースのテーブルで酒盛りして盛り上がっているグループも結構いました)


カップ麺の自販機やお湯の出る給水機も備わっています

夕食を済ませ、部屋で事前に買っておいたウイスキーをちょっと飲んだりしながら就寝。波で揺られながら横になるのもまた心地が良いです。

翌朝 6時に起床。ある意味楽しみにしている朝風呂に向かいます。ちょうど日の出の時間で空と海が明るくなっていくのを眺めながら浸かる風呂がまた格別です。


外で涼んでいたらインスタ映えしてました

朝食は前日に売店で買ったパンとスープ。

レストランでは夕食と同じくバイキング形式の朝食も食べられますが、以前乗ったフェリーで一回利用したことがあったので、今回は海を眺めながらフリースペースで食べることにしました。


とりあえず海と太陽が映っていればインスタ映えみたいな

朝食を済ませてノンビリくつろいでいると、次第に窓の外に陸地が見えてきて旅の終わりが近づいてきました。

そして予定通り 10時に仙台港に到着。バスで仙台駅に向かい、新幹線で帰路につきました。

フェリーの旅は何気にこれが 5回目。太平洋フェリーは 3回目になります。

最初に乗ったのが 2017年の 8月で、偶然にもその時に乗ったのが先代の きたかみでした。


先代きたかみ乗船時の写真

その時の体験がとても素晴らしくて、以後度々フェリーに乗るだけに旅行にいくみたいなことをするくらいハマってしまいました。

そして今回新しく就航した きたかみに乗ってみたわけですが、表題にもあるようにいろんな意味でスマートになったように感じました。

まずそもそも船の大きさが違います。

船舶案内のページを見ると、既存の いしかり、きそ が総重量 1.5万トン以上なのに対して、きたかみは 1.4万トン未満。

旅客数もきそ、いしかりが 800名近いのに対して、北上は 500名超程度となっています。(その代わり車の収容数は きたかみのが多い)

館内もこれまでの船は食堂やレストラン以外に映画コーナーやショーラウンジ、ゲームコーナーなど、一昔前のゴージャスな雰囲気の作りになっていて、それがどこか異空間のように感じることができましたが、 きたかみは目立った設備としてはレストランに食堂、大浴場、シャワーコーナーくらいであとはフリースペースと客室で占められていて、必要最小限に留まっています。


きそ ではこんなラウンジショーも開かれていました

こうした船内設備の面でもスマートになった印象を受け、最初の体験から比較してしまうと正直若干の肩透かしを感じた感はあるのですが、逆に純粋な移動手段として見た時には合理的になっているように思いました。

きたかみではフリースペースが既存の船よりも多く設けられ、船室もいわゆるタコ部屋のような雑魚寝の 2等室はなく、個室かスペースの区切られたベッドになっていて、個々のプライベート空間が確保されるようになっています。

つまり、利用者それぞれが快適な時間を過ごせる点が重視されていて、長時間かけて移動するフェリーだからこそ重要なポイントなのであり、新世代のフェリーとしてのスマートな答えになっているのだろうと思いました。

そんなわけで、まだできたばかりでピカピカの新きたかみ、機会があればぜひ一度お試しください! [NOT PR]

以上、よろしくお願いいたします。